SWIFTのブロックチェーン台帳上でHSBCとスタンダードチャータード銀行が初のトークン化預金取引を実稼働
HSBCとスタンダードチャータード銀行SWIFT連携による初のライブ取引が実現
SWIFT(国際銀行間通信協会)のブロックチェーン台帳上で、HSBCとスタンダードチャータード(Standard Chartered)銀行による初の国境を越えたトークン化預金取引が実稼働したことが発表された。
Swift Blockchain Ledger Clears First Live Cross Border Bank Payment
Standard Chartered and HSBC have completed the first live cross-border transaction on Swift’s blockchain ledger.
The transaction connected their separate tokenized deposit systems through Swift’s… pic.twitter.com/RC5SPVUcy7
— BSCN (@BSCNews) August 20, 2026
Swiftブロックチェーン台帳で初の国境を越えた銀行間決済が完了 スタンダードチャータード銀行とHSBC銀行は、Swiftのブロックチェーン台帳上で初の国境を越えた取引を完了しました。この取引は、Swiftの…
この取引は、管理されたサービス開始から約6週間で行われたものだ。両行はそれぞれの独立したトークン化預金インフラを運用しており、SWIFTが提供する共有オーケストレーションレイヤーを介して決済メッセージを交換。これにより、参加銀行が個別の台帳や既存のコンプライアンス体制を維持したまま、金融機関間での相互運用性を確保できるモデルが実証された。
取引の仕組みと既存決済システムによる最終処理
今回の取引では、SWIFTの共有台帳(Hyperledger Besuベース)上で銀行間債務の照合とネッティング(相殺)が実施された。
ネッティングによって差額のみに圧縮されたため、決済に必要な流動性の最適化や照合作業コストの削減が見込まれる。ただし、共通の預金トークン移動やオンチェーンでの資金決済が行われたわけではない。実際の資金移動は既存のリアルタイムグロス決済システム=RTGSなどの外部システムを通じて行われた。
このように、メッセージングや照合はブロックチェーン上で常時(24時間365日)処理しつつ、最終決済は確立された商業銀行インフラに依存するハイブリッド型の構造となっている。
両行のトークン化取り組みと参加17行の動向
HSBCはトークン化預金サービスを香港やシンガポールから英国、米国、UAE(アラブ首長国連邦)などへ広げており、各国の法人向けに多通貨の24時間送金を展開している。
一方、スタンダードチャータード銀行もAnt Internationalとの提携やBIS(国際決済銀行)主導のProject Agorá(プロジェクト・アゴラ)参加を通じ、トークン化インフラの構築を進めてきた。
今回の実証はSWIFTが進めるパイロット運用の一環であり、グループにはシティ、BNPパリバ、UBS、三菱UFJ銀行(MUFG)など6大陸17の主要銀行が参加している。
課題と今後の展望
今回の発表では、取引金額や通貨ペア、処理速度などの定量的データは開示されておらず、本成果は即座に商用利用へつながるものではなく初期マイルストーンにとどまる。
企業財務における本格採用には、営業時間制限のない「継続的な最終決済」の実現や、法域をまたぐ共通ルールの策定といった課題の克服が必要だ。
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