CFTC、CPO/CTA規則変更とCME新AI先物取引に関するパブリックコメントの受付を開始
CFTCがCME新AI先物取引に関するパブリックコメントの受付を開始
CFTC(米国商品先物取引委員会)は、金融市場の規制枠組み最適化と先端金融商品の投入に向け、相次いで重要なパブリックコメント(意見公募)手続きに着手した。
今回の動きは、ファンド運用会社における二重規制の解消や小規模基準の緩和を目指すPart 4規則の改定と、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)などが計画するAIコンピューティング先物の上場審査という、2つの主要な軸で構成されている。
二重規制の解消と運用負担の軽減を目指す「Part 4」改定案
CFTCは、CPO(商品プール・オペレーター)およびCTA(商品取引アドバイザー)を監督する「Part 4」規則の修正案を提示し、45日間の意見公募を開始した。この提案の柱は、SEC(米国証券取引委員会)に登録済みのRIA(投資顧問会社)が適格なプライベート・ファンドを運用する際、追加でCPO登録を義務付けない免除規定の創設である。
従来、SECとCFTCの双方に登録する重複プロセスは、市場参加者に過度なコンプライアンス・コストを強いていた。CFTCのマイケル・S・セリグ(Michael S. Selig)委員長は、過剰な重複規定を見直すことで米国市場の国際競争力を高め、企業の負担を削減する方針を強調。免除制度の利用には、NFA(全米先物協会)への届出やフォームPFを通じた情報共有が必要となるが、既存の行政不執行措置(ノーアクション・レター25-50など)を正式な連邦規則へ昇格させることで、法的な予見可能性が飛躍的に向上する。
小規模プール免除枠の倍増とQEP要件の整理
さらに本提案では、小規模ファンド運営者に対する救済策として、CPO登録免除が認められる資本拠出額の上限を従来の40万ドル(約6,375万円)から80万ドル(約1.27億円)へと引き上げる。
これは2003年以来見直されていなかった基準額を、物価上昇(CPI-U)の試算に基づき実質的に倍増させる試みだ。参加者数15名以内という上限は維持されるものの、小規模なスタートアップ・ファンドにとって運用障壁の低下につながる。
また、適格適格者(QEP)向けファンドに関するポートフォリオ要件についても見直しが進められている。2024年に改定された基準額(資産400万ドル等)を踏まえつつ、既存の「レギュレーションD」制度と整合性を保ちながら、対象となる適格投資家の枠組みを明確化している。
CMEの「AIコンピューティング先物」上場に向けた慎重な審査
規制緩和の一方で、CFTCはAI(人工知能)インフラの需要急増に伴う新商品の市場投入にも慎重な姿勢を見せている。
CMEグループは、シリコン・データ社が提供する指標をベースとした「AIコンピューティング先物」2銘柄の開始を計画しているが、CFTCはホワイトハウスの行政管理予算局に対し、意見募集に向けた要請を提出した。
AI関連の設備投資が米国GDPの2%以上に相当する規模へ拡大する中、データセンターやAI事業者が計算リソースの価格変動リスクをヘッジする金融ツールへの需要は高まっている。しかし、パブリックコメント期間(30〜60日間)が設定されることにより、当初想定されていた市場投入スケジュールには調整が生じる可能性がある。
補足:デジタル資産政策の動向
今回の「Part 4」改定案は従来型のコモディティ・プールや先物市場を対象としており、暗号資産の現物市場に対する新たな権限を創設するものではない。暗号資産の市場構造や顧客保護に関する議論は、CFTCの「イノベーション諮問(しもん)委員会(IAC)」や連邦議会の「CLARITY法案」など、別ルートの審議枠組みにおいて並行して進められている。
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