オートバイの「キャッシュカウ」が自動車事業の不調をヘッジ!Honda(HMC.US)は円安を利用して予想を上回る:2024年第1四半期の純利益が129%急増、2027年度見通しを上方修正
円安と米国での需要増が業績を押し上げたため、本田自動車は通期見通しを上方修正しました。
ジートン財経APPによると、日本の自動車メーカーで第2位の本田(HMC.US)は水曜日に予想を大幅に上回る決算を発表しました。第1四半期の純利益は前年同期比129.3%増の4,509億円(約29億ドル)、営業利益も倍増の5,308億円となり、いずれも市場予想を大きく上回りました。本田が四半期ベースで前年同期比増益となるのは、6四半期ぶりとなります。
2.5兆円にも及ぶEV事業の再編損失と中国市場での販売急減という難題に直面する中で、本田は記録的な四半期決算によって、「二本足歩行」の戦略が自動車事業の景気循環的な低迷に対するヘッジとして機能していることを証明しました。この決算を受けて、本田の株価は東京市場で終値3.9%上昇しました。
決算によると、本田の第1四半期の営業収入は6.06兆円(約384億ドル)となり、前年同期比13.5%増、予想の5.87兆円を超えました。営業利益は5,307億7,000万円と前年同期の2,441億7,000万円から117.4%急増し、アナリスト予想の3,001億6,000万円を大幅に上回りました。純利益は4,509億2,000万円で前年同期比129.3%増、予想の2,507億8,000万円と比べて約80%上回っています。
これは本田が6四半期ぶりに四半期ベースで前年同期比増益となったことを意味します。税引前利益も同様に好調で、107.0%増の6,050億3,000万円となりました。

事業の業績
バイク事業:利益の半分近くを支える「キャッシュカウ」
バイク事業は今四半期で最大の利益エンジンとなりました。この部門は約2,340億円の営業利益を生み、第1四半期の総利益5,308億円のほぼ半分を占めました。
インドやブラジル市場の堅調な需要が主要な原動力となっています。本田の二輪車主要市場での営業利益率は16%を超え、業界平均を大きく上回っています。この「キャッシュカウ」の強力な支えにより、本田は自動車事業再編に伴う巨額の財務衝撃を和らげることができました。

自動車事業:中国市場の失速、北米の堅調、ハイブリッドへの戦略転換
自動車事業は本四半期に1,921億円の営業利益を計上し、前年同期の296億円赤字から大きく黒字転換となりました。円安が自動車事業の利益改善に大きく寄与しており、海外収益の円換算額を押し上げています。
世界的な自動車販売の低迷や原材料コストの上昇などの逆風に直面しながらも、本田は今四半期において関税の影響を吸収したと述べました。しかし中国市場は本田にとって依然として最大の課題であり、第1四半期の販売は大幅に低下、すでに広州と武漢の工場の生産能力を削減しています。

北米市場は自動車事業の「安定勢力」となりました。米国市場は本田の世界自動車販売台数の約半分を占めており、円安によってさらに海外利益の円換算額が増大しています。関税コストについても、本田は今期における関税の影響をすでに消化したとしています。
通年見通しの上方修正
ドル円為替レートの前提を1ドル145円から155円に見直し、北米市場でのハイブリッド需要の引き続きの強さを背景に、本田は通年の営業利益予想を5,000億円から30%引き上げ6,500億円としました。通年売上高見通しも23.15兆円から24.15兆円(アナリスト予想より上)へ、純利益も2,600億円から大幅に4,000億円に上方修正しました。1株あたりの年間配当は70円に据え置きとなります。
それでも市場はこのガイダンスに対して慎重な見方をしています。アナリストの平均予想は通年営業利益6,760億円であり、最新のガイダンスは大幅な上方修正でありながらも市場予想をわずかに下回っています。

経営陣の視点:中東情勢が最大の不確実要因
本田の最高財務責任者・川口正雄氏は決算説明会で、中東情勢の不透明さが最大のリスク要因であり、販売や原材料コストなどに関わるリスクを慎重に評価しなければならないと語りました。
本田は、前会計年度に1957年の上場以来初めてとなる通年赤字を経験した後、為替の追い風、北米ハイブリッド需要、バイク事業の堅調を通じて黒字転換に向けて取り組んでいます。カナダでのEVバッテリーサプライチェーン構築計画は無期限延期となり、リソースはハイブリッド車に急速にシフトしています。
戦略転換:ハイブリッドが北米の中核、EV化は「ブレーキ」
本田の戦略的焦点は大きな転換期を迎えています。前会計年度ではEV事業再編により90億ドル超の減損損失を計上し、従来の長期EV販売目標も放棄しました。
戦略はハイブリッドに転換。本田は2030年3月までに15車種の新型ハイブリッド車を、主に北米市場向けに投入する計画です。唯一となっている純電動モデルPrologue SUVの米国での販売を今年中に終了し、カナダでのEVバッテリー供給網構築計画も無期限延期しました。これは本田が攻撃的なEV戦略から、ハイブリッドを中核とする現実的な路線へ転換したことを示しています。
代わって、ハイブリッド車が本田の北米戦略の基盤となります。2030年3月までに15車種の新型ハイブリッド車を北米向けに投入し、北米市場では2029年にDセグメント以上の大型ハイブリッドモデルも展開予定です。一方、カナダでのEVバッテリーサプライチェーン構築計画は無期限延期となりました。
中国市場では、本田は7月に広汽集団との合弁事業期間を2038年まで延長し、現地標準部品や現地パートナープラットフォームの活用で製品競争力を高める計画を持っています。
ソフトウェア定義自動車領域では、本田と日産が中央電子制御ユニット(ECU)の共同開発を進めており、2029年前後の共通部品車載化を目指しています。本田の三部敏宏CEOは両社がこの協業を協議していることを公表しています。
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