決算プレビュー | AIチップ業界の二強 対決が激化!AMD(AMD.US)の決算がNvidiaの「挑戦者」としての実力を検証
NVIDIAの主要な競合として位置付けられるAMDの今回の決算発表は、世界的なAIコンピューティング需要が今後も堅調に推移するかどうかを市場が判断するうえで重要な指標となります。
ジートン財経APPによると、AMD(AMD.US)は8月4日(火曜日)の米国市場終了後に第2四半期決算を発表する予定です。テクノロジー大手各社がAIインフラストラクチャへの投資を継続的に強化している背景の中で、市場はAMDがAIチップの受注を継続して獲得できるかどうか、また業界リーダーとの差をさらに縮められるかに注目しています。Nvidiaの主要な計算力の挑戦者として、今回のAMDの決算はグローバルAI計算力需要の好調が続くかどうかを判断する重要な指標となります。
市場では、AMDの第2四半期の売上高は113.2億ドルで前年比47.3%増、1株当たり利益は1.61ドルで前年比235.42%増との予想が一般的です。
Zacksのデータによれば、AMDは過去4四半期連続で市場予想を上回る利益を計上し、平均で市場予想を6.5%上回りました。
AMD株価は年初来で倍増しており、データセンター事業の爆発的成長が主な原動力です。しかしAIセクター全体の調整の影響を受け、6月の高値から約19%下落しています。直近のオプション価格によれば、トレーダーは今週AMD株が最大10%の変動を見せると賭けています。
AIチップ収入や下半期見通しが市場予想を上回れば、AMDの決算は半導体セクター全体を押し上げる可能性があります。逆に、受注成長、製品納入または粗利益率のパフォーマンスが予想未満であれば、AI資本支出のリターン率に対する投資家の懸念が強まる可能性があります。
AMD Q2決算の注目ポイントは?
データセンター事業が引き続き主な成長ドライバー
市場では、データセンター事業が引き続きAMDの第2四半期業績の主力成長ドライバーと予想されています。EPYCサーバーCPUとInstinct AIアクセラレーターの強い需要により、AMDの売上成長が促進される見込みです。AI推論需要の強さやエンタープライズAIの普及加速、主要クラウド事業者によるAIインフラ投資の増加がInstinct GPUの出荷を後押しすることが期待されています。同時に、第5世代EPYCプロセッサーが超大規模データセンターやエンタープライズ顧客に幅広く採用されており、サーバーCPUの売上を支える見込みです。
注目すべきは、AMDの次世代ハードウェア製品に対する市場の関心が引き続き高まっていることです。AMD CEOのリサ・スー氏は最近、MI450およびHeliosに対する顧客の総合的な需要が当初予想よりも高く、2027年に定めた社内計画も上回っていると述べました。顧客が順番待ちして導入している状況は、同社プラットフォームへの強い関心を表しています。
AMDの予測によれば、2030年までにAIアクセラレーター市場規模は1.4兆ドル、データセンターCPU市場は2200億ドル、全体の計算市場規模は2兆ドルに達すると見込まれています。この見解の核心は、AIインフラストラクチャ需要が既に大規模モデルのトレーニングにとどまらなくなったことです。推論やインテリジェントAIが新たな計算需要をもたらし、AMDはサーバー事業のさらなる成長を見込んでいます。
AI大手顧客との”強固な結び付け”の光と影
第2四半期のAMD業績の主な増加分は、世界の主要クラウド事業者による大規模調達の実現によるものです。AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームが継続してEPYCプロセッサーを導入し、Meta、サムスン、Tata Consultancy Services、NAVER Cloud、Upstageとの協力も実現、AMDのAIインフラ収入の増加が期待されています。
なかでもMetaはAMD Instinct GPUの導入と次世代EPYCプロセッサーの採用を明言しており、グローバルな主権AIプロジェクトの進行やAMD製品がMLPerfベンチマークで優れていることも相まって、業界顧客の信頼感が一層強まり、AMDの受注拡大につながっています。
好材料としては、AI大手企業との強い結びつきがAMDの中長期的な計算力事業成長の核心的な支えであることが挙げられます。昨年、AMDはOpenAIと数十億ドル規模のワラント契約による戦略的提携を発表し、相手の大規模調達と引き換えにMI350Xチップの供給契約を結びました。OpenAIの最新業績も楽観的な見通しを後押ししています。OpenAIは最近、7月の年換算収益が第2四半期合計を超えたと明らかにしました。
一方のリスク要因としては、オープンソースモデルの進化が業界の計算力需要のロジックを静かに変えつつあることが挙げられます。オープンソースモデルの迅速な進化・普及がOpenAI、Anthropicなど閉鎖型企業の価格設定や顧客基盤を揺るがすとの懸念があります。さらに、オープンソースモデルは軽量かつ効率的で、同等のAIタスクを実行するために必要なGPU計算力が大きく減少するため、業界全体の計算力調達需要が著しく低下する可能性があります。閉鎖型企業の顧客流出と計算力需要の大幅な減少が続けば、長期的にはAMDのAIチップ市場空間が直接的に縮小し、高成長ストーリーが後退することになります。
PCおよび組み込み事業の堅調なパフォーマンス見込み
高成長のデータセンター事業以外にも、AMDの従来型事業部門は堅調なパフォーマンスが見込まれます。
なかでもクライアント事業はRyzen プロセッサーの安定した需要とAI PC分野の普及率向上により恩恵を受ける見通しです。エンタープライズ機器の更新、商用Ryzen AI PROプロセッサーの大規模導入、さらにCopilot+ AI PC新製品の相次ぐ発売が、デスクトップおよびノートPCプロセッサーの出荷を押し上げる可能性があります。
同時に、AMDはハイエンド消費者PC市場でもシェアを拡大しており、ゲーミングやクリエイティブ用途向けハイエンドRyzen X3Dプロセッサーの需要も堅調で、第2四半期全体の売上成長に寄与する見込みです。
さらに、産業オートメーションやエッジAIなどの需要が改善し続ける中、AMDの組み込み事業収入も安定を維持できそうです。
業界競争の激化が売上増加と粗利益率回復の制約に
現状、AMDは主要事業領域でNvidia、Broadcom、Intelから激しい競争を受けています。
AIアクセラレーター分野では、NvidiaはCUDAエコシステムと80%という圧倒的なシェアで主導権を握っていますが、AMDは”フルスタック・ソリューション”、”高コストパフォーマンスハードウェア”、”主要顧客攻略”を武器に、無視できない挑戦者となっています。
特に注目すべきは、7月23日にAMDがAdvancing AIカンファレンスで一連の新製品を発表し、チップからシステム全体までの「フルスタック」製品展開でNvidiaに正面から挑戦しようとしていることです。
AMDは、次世代MI450シリーズ・アクセラレータを搭載したHeliosプラットフォームが主要な指標でNvidiaの次世代Vera Rubinプラットフォームを上回ると主張しています。さらに、次世代EPYC「Venice」サーバーCPUの性能はNvidia競合製品より約20%高いとしています。Heliosは現在本格生産中で「需要が極めて強い」、第3四半期末から出荷開始、Venice搭載サーバーシステムも今年第4四半期に順次出荷開始予定だとしています。
加えて、Intelは拡大を続けるXeonプロセッサーライン、ファウンドリー事業、先端パッケージング技術によりサーバー市場シェアの積極的な獲得を目指しています。Broadcomは超大規模クラウド顧客市場を深く開拓しており、カスタムAIアクセラレーターやハイパフォーマンスネットワーク分野で競争優位を維持し、さらにAMDの市場領域を圧迫しています。
これら業界競争の激化は、2026年第2四半期以降のAMDの売上成長や利益率の拡大見通しに影響を与える可能性があります。
ウォール街アナリストが決算前に強気発言
ウォール街のアナリストはAMDに強気の見方を示しています。Tipranksが追跡する35人のアナリストのうち28人が「買い」を推奨し、7人が「中立」評価、コンセンサスは「ストロング・バイ」となっており、平均目標株価は582.65ドルで、先週金曜終値を22%上回ります。
AMDの次世代AIハードウェアの世代交代がアナリストが同社の成長を評価する中核的理由であり、今回の決算の注目ポイントにもなっています。
AMDは7月に開催された「Advancing AI」イベントで一連の新製品を発表しました。その後、UBSとバンク・オブ・アメリカのアナリストはそれぞれAMDの目標株価を700ドルおよび560ドルから730ドルと620ドルに引き上げました。William Blairのアナリストはイベント後、「AMDは現在積極的にシェア拡大に取り組んでおり、堅実な製品ロードマップとオープンスタンダード重視姿勢から、超大規模データセンターおよびAIラボ顧客の大口注文を獲得することが期待できる」と述べました。

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